マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺が多発しています。
マッチングアプリで知り合った外国人から、仮想通貨の投資話を持ちかけられたら詐欺の可能性があるため注意してください。
本記事では、詐欺師の手口や詐欺に遭わないための対策を解説し、詐欺被害に遭った際の相談先と返金請求に必要な情報を紹介します。
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マッチングアプリでの仮想通貨詐欺の手口
マッチングアプリでの仮想通貨詐欺の手口は、次のとおりです。
- 積極的なアプローチを受ける
- 投資を勧められる
- 仮想通貨の取引サイトへの入金を誘われる
- 出金できず連絡が取れなくなる
マッチングアプリはパートナーを探す目的で利用する人がほとんどであるため、相手も同じ思いであると思い込みやすく、詐欺師にとってはターゲットを騙しやすいツールです。
仮想通貨詐欺のよくある手口をご紹介します。
積極的なアプローチを受ける
マッチングアプリでの仮想通貨詐欺の手口では、出会った外国人からすぐに積極的なアプローチを受けます。無料通話アプリに誘導され、「好き」「恋人になりたい」など熱い愛のメッセージが1日に何度も届くでしょう。
詐欺師から仮想通貨で儲けているという自己紹介がありますが、まだ勧誘をしてきません。出会った最初の段階で勧誘をしないことは詐欺師の計算で、恋愛関係に進むように積極的なアプローチが続きます。恋愛相手や結婚相手を探すためのマッチングアプリのため、ターゲットも最初から多少意識はしているでしょう。
何日もメッセージのやり取りを続け、ターゲットが自分に対して恋愛感情を持ち始めたことを確信すると勧誘が始まります。
投資を勧められる
ターゲットが恋愛感情を持ち始めると、仮想通貨の投資を勧められます。恋愛関係が成立するまで待つのは、恋愛感情が詐欺の成功に大きく影響するためです。多少怪しいと思っても、好きだという気持ちがあれば信じたいと思ってしまうでしょう。
「投資するなら会って相談したい」と相手に言うと「投資は早いほどよいから」と言いくるめられ、結婚の話題を持ち出されてその気にさせられます。冷静な判断が難しくなっているため、ビデオ通話を断られても相手の言い訳に納得します。
恋愛感情を詐欺に利用されており、一度も会ったことがない人と投資の話をしていることの不自然さに気づくことができません。
仮想通貨の取引サイトへの入金を誘われる
ターゲットが投資に興味を持つと仮想通貨の取引サイトへの入金を誘われます。「特別な投資サイトなので絶対に損をしない。本当は誰にも教えたくないけど、大切な人だから教えてあげる」と言ってきます。
紹介されるのは聞いたことのない海外の取引サイトですが、相手が外国人なら自然に見えるでしょう。ターゲットは、取引サイトや運営事業者のことをよく調べることなく入金し、投資を始めてしまいます。
いざ投資を始めると実際に儲けが発生します。出金するとスムーズに手続きが行えるため安心し、さらに高額な入金をしてしまいます。相手に勧められるまま借金をして入金し、被害が大きくなるケースも多いです。
出金できず連絡が取れなくなる
金額が膨らんだ頃には出金できなくなり、相手や投資サイト運営事業者と連絡が取れなくなります。
出金しようとすると保証金や手数料などの名目で次々に費用を請求され、支払っても金額が膨らむだけで出金できません。相手に出金できないことを相談しようとしても連絡が取れなくなります。
恋人だと思っていた相手が詐欺師であることに気づき、騙されたとわかるでしょう。名前も国籍も勤務先も全部知っていると思うかもしれませんが、すべて偽りです。プロフィール画像もフリー素材やインフルエンサー・モデルの画像を使用しています。
失恋と金銭的被害のショックは大きく、一人で悩んで返金を諦めるケースが大半です。
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺を回避するための対策
マッチングアプリを利用した仮想通貨詐欺を回避するための対策は、次の2つです。
- マッチング相手の不審な点を確認する
- 取引サイトを確認する
それぞれの説明を参考にして、相手と取引サイトが信用できるのか検討し、疑わしい場合は詐欺ではないかと考えて対応してください。
マッチング相手の不審な点を確認する
仮想通貨詐欺を回避するためには、マッチング相手に不審な点がないかどうか確認しておきましょう。
プロフィール画像を検索して、他人の写真を使用していないか確認します。検索結果がヒットしない場合も、ネット上にない写真を使用している可能性があるため注意が必要です。
次にSNSアカウントを探し、相手が語った情報とSNSの内容が一致しているかを確認します。何も見つからない場合は、相手が架空の人物である可能性が高くなります。ネットにプライベートを明かしていない可能性もありますが、痕跡も見つけられないなら要注意です。
出会ってから早い段階でマッチングアプリから無料通話アプリに移動することはマッチングアプリの規約違反であり、不審な行動といえます。アプリ内で投資の話をすると運営にアカウントを停止されるため、監視のない無料通話アプリに誘導していると考えられます。
国民生活センターがマッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリストをまとめているため、参考にしてください。
取引サイトを確認する
仮想通貨詐欺を回避するためには、紹介された取引サイトを確認することも重要です。海外の取引サイトも日本の居住者を対象とする場合は、金融商品取引業の登録が必要です。
仮想通貨の入手・換金は、取引所や販売所と呼ばれる事業者（暗号資産交換業者）を通じて行われます。暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が義務付けられており、暗号資産交換業者登録一覧から確認できます。
確認できなかった場合は詐欺である可能性が高いですが、念のため「勧められた銘柄や取引所の名前+詐欺」で検索してみましょう。被害に関するニュース記事や体験談がヒットする場合は、仮想通貨詐欺であることは間違いありません。
ただし、検索して出てこなくても現時点では被害者が少ない新しい詐欺である可能性がある点に注意してください。
仮想通貨詐欺に遭った場合の相談先
仮想通貨詐欺に遭った場合の主な相談先は、次のとおりです。
- 消費生活センター
- 警察
- 弁護士
特に海外のサイトを利用している仮想通貨詐欺の場合、自力で対応するのは困難です。相談先にはそれぞれに特徴があるため、状況に応じて適切に選択してなるべく早く相談してください。
消費生活センター
仮想通貨詐欺かもしれないと思ったら、消費生活センターに相談しましょう。「消費者ホットライン（188）」に電話をかけると、地域の消費相談窓口を案内してくれます。
消費生活センターでは詐欺の相談を多く受けているため、詐欺の手口や対応についてアドバイスがもらえます。被害に遭う前の相談にも対応しているため、相手を疑うべきか迷っている状況であれば最適な相談相手と言えるでしょう。
すでに金銭の被害が出ていて返金請求したい場合は、消費生活センターのアドバイスを受けながら被害者自身が行います。消費生活センターは相談と情報提供が主なサービスであり、返金請求は行っていないためです。
仮想通貨詐欺では詐欺師の特定が難しいケースが多く、連絡が取れても相手が交渉に応じる可能性は低いため、自力での返金請求は困難です。
警察
仮想通貨詐欺の被害に遭った場合は、警察に相談してください。警察署に行くことに抵抗がある方は、「警察相談専用電話（＃9110）」に電話すると地域の警察の相談窓口につながります。
騙した相手が誰なのかわからなかったり、詐欺被害の証拠不十分だったりする場合は、被害届を受理してもらえません。受理されない場合でも、状況に合わせて対処法を助言してくれるでしょう。被害届が受理されれば詐欺師が逮捕される可能性があるため、事前に証拠を集めておくことは重要です。
警察は民事不介入の原則があり返金請求は自分で行わなければなりませんが、被害届を提出していると返金交渉が有利になるのも利点です。
弁護士
仮想通貨詐欺に遭い、被害金の返金を求めたい場合は弁護士に相談してください。返金請求ができるのは弁護士だけであり、法律の知識を生かして適切な助言をしてくれます。
仮想通貨詐欺の被害回復は手続きや仕組みが複雑であり、被害者の精神的負担も大きいため、代理人として弁護士に一任できるメリットは大きいでしょう。返金請求は相手の所在や詐欺の証拠を揃える必要がありますが、調査会社といった他機関の依頼の判断も弁護士に相談できるため安心です。
弁護士は領域によって得意不得意があるため、依頼する際は仮想通貨詐欺の解決の実績が豊富な法律事務所を選ぶことをおすすめします。
仮想通貨詐欺の返金に必要な情報
仮想通貨詐欺の返金請求に必要な情報は、次の3つが特に重要です。
- 相手に関する情報
- 被害に関する情報
- 詐欺の手口に関する情報
必要な情報が揃っていれば詐欺師の特定と被害の証明がスムーズになり、被害届も提出できます。次の3つの情報を参考にして、返金請求のための証拠を準備して相談してください。
相手に関する情報
詐欺師に関する以下の情報についてまとめることが必要です。
- プロフィール情報（氏名・職業など）
- 振り込みをした口座
- 誘導されたサイト名・URL
- 事業者情報（会社名・所在地・電話番号など）
該当ページのスクリーンショットを撮って保存しておきます。アカウントのユーザーネームしかわからないこともありますが、手がかりになりそうなニックネームや自称の氏名も重要な情報です。マッチングアプリの運営側に詐欺に遭った旨を通報すると調査をしてくれるかもしれません。
時間が経過するほど詐欺の証拠が残らない可能性が高まるため、被害に気づいたら速やかに対応しましょう。
被害に関わる情報
仮想通貨詐欺の返金請求には被害に関わる情報を示し、詐欺であることを説明しなくてはなりません。返金請求を相談する際に必要な具体的な情報は、以下のとおりです。
- 購入日時
- 被害金額
- 取引明細書
- 購入履歴
ネット上での取引は、スクリーンショットを撮って証拠を残すようにしてください。追加で支払わされた保証金や手数料などの名目の費用も、被害を証明する重要な証拠となるため確認できるようにしておきましょう。
詐欺の手口に関する情報
仮想通貨詐欺の返金請求は、詐欺を証明するために手口や経緯に関する情報が必要です。情報をまとめる際のポイントは、以下のとおりです。
- 詐欺師との出会い
- やり取りの記録
- 入金したきっかけ
ポイントに留意しながら、時系列に沿って出来事をまとめておきます。メールやメッセージなどのやり取りはスクリーンショットで保存し、添付しておきましょう。
詐欺師を信じ切っていたりショックを受けて何もできなかったりすると、対応まで時間がかかり、やり取りの記録が消去されてしまう場合があります。返金請求に必要な情報が不十分であっても、わずかな情報の積み重ねによって詐欺師の特定にいたる可能性があります。
返金請求に必要な情報の準備につまずいた方であっても、弁護士といった法律の知識と職権がある専門家に依頼することによって情報収集が可能です。
仮想通貨詐欺に遭ったら専門家に相談を
仮想通貨詐欺に遭ったら法律の専門家に相談してください。投資詐欺に強い弁護士なら最適な解決方法を助言し、被害回復に尽力してくれます。
恋愛が絡むと周囲に相談しにくく、被害金と失恋の二重のショックで対応が遅れてしまいがちですが、相談を躊躇していると詐欺師に逃げられてしまいます。
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